OKAYAMA Swing Street
語れば熱き音楽人
「LIVE at BIRD その4」
2001.10.10 岡崎 直樹
 10月7日、 Sugar Villageというイベントに参加させていただくことになり、松山へ向かう。 午後3時到着、秋祭り真っ最中で道路も街も大変な人出である。このイベントは、8軒のライブハウスが共催しているいろいろなジャンルのライブの「お祭り」で、もう3年目になるらしい。今回のジャズ系のゲストは、Chika Singer(vo, 最近は海外での活動が多い)・丸岡紀里江(vo, 以前岡山で活躍し現在神戸在住)・清水末寿(ts)・溝口恵美子(vo, 関西の若手)・清水武志(pf)などなど。

 私は、ゲストに予定していた清水末寿(ts)さんの体調不良ということで、半月ほど前に連絡をもらった。清水さんと言えば「あにやん」というニックネームで知られるすご腕のベテラン奏者(現在は広島で活躍中)で、バードにも開店まもなくのころ出演していただいたことがある。そんな大物のエキストラをやれと言われた。当然辞退したのだが、無理やり押し付けられてしまった。夕方、会場のMonkという店で打ち合せ。共演は、ボーカルもうまい女性ピアニストKさん(東京でも定期的に活躍中)のトリオ。20年前にバードの初代ベーシストを引き受けてくれたW氏(やっとゴールインと思ったら、早くもパパとなった、みんなの心配をよそに、、、)、相変わらず愛妻家でカメラマニアのドラマーT氏(ビッグバンド時代にずいぶんお世話になったバンドマスター。カードマジックの達人、だからポーカーが強かった?!)というなつかしい顔ぶれ。気心のよく知れたメンバーなので30分ほどのリハーサルで2ステージ分の曲目が何とか決まった。

 で、いよいよ本番。結構広い店なのだが、ほぼ満席。若い人がずいぶん多い。初めての会場では、演奏者相互の聞こえ方や場内の反響などに慣れるまで、ついつい緊張してしまうのだが、よく聞いてくれて、ちゃんと反応もしてもらえるお客さんだったので、リラックスできた。無事1セット目は終了し、休んでいると、学生時代の仲間、昔の音楽仲間、懐かしい顔がたくさんある。それに、わざわざ松山からバードを訪ねてくださる新しい人たちも何人もいる。私がこの地を離れてもう20年にもなるのに、音楽を続けてきて良かったと思う。そういった状況だったので、2回目はもっと楽しく演奏できた。おかげで何とか重責を果たすことができた。アンコールでは、別の会場に出ておられたChika Singerさんとご一緒させていただいた。大橋巨泉、マーサ三宅という両親に育てられたボーカリストで、LOVER MANはしっとりと深みのある彼女の声にぴったりの選曲だった。打ち上げの打ち上げ(!)では、岡山から来ていたボーカルのSさん、ピアノのAさんにも遭遇し、おおいに盛り上がった。ホテルに帰ったら、2時を回っていた。

 この不況の時代に、しかもファン層の限られた地方都市の競合店同士の共催で、このようなイベントができるのは不思議であるが、各店はもちろん、在住のミュージシャンたちも自分のネットワークを通じて動員に大いに努めているからこそ、これだけの聴衆が集まり、継続できるのだと思う。すべての店が大盛況だったそうだ。

 具体的な話はまだまだというところだが、来年には、岡山でもジャズストリートが実現する可能性があるらしい。
岡崎 直樹 2001.10.10


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