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シーツ・オブ・ミュージック番外編 YOKOHAMA MUSIC REPORT 「出会いは偶然、縁は必然、音楽も――」
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2001.06.26吉田 桐子
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GW初日の観光客がごった返す横浜で、ヴォーカリスト、コジマサナエ企画による『2001モ福来タル!コンサート』が開催された。タイトルから想像するのは難しいが、“音の翼”をテーマにしたドラマ仕立てのコンサートというのだろうか。舞台は国際線の機内。そこで生まれる音楽を道先案内人に世界各国を訪れる――。
洋館が佇む山手の街にある小ホール、ゲーテ座でのコンサートは二回目。今回、サナエはチャレンジ精神で一杯だった。「照明に凝りたい」「スッチーに出て欲しい」「機内誌っぽいプログラムがいい」。構想は広大、アイデアは無限。多くの人との出会いや協力により、一つ一つハードルを越えていった。裏方を手伝っていた私にはその結果を、つまり舞台本番の様子を残念ながら伝えられない。あまりの興奮状態で、サナエも覚えていないという。ただ、「面白かった」「コジマさんってすばらしいね」というお客さんの言葉が、今も胸にずっしりと残る。反省点は山とある。でも「また何かやろうよ」といってくれる人がいる。そしてサナエは「自分も楽しみつつ、皆を楽しませるエンターテイメント」を目指し、さらに飛躍しようとする。二日酔いの頭では「二度とやらない!」と思っていたはずの私も、次は誰を巻き込みどんな仕掛けを作ろうかと考える。「同時代に生まれる音楽を、多くの人に聴いて、感じて欲しい」という私の思いが、彼女との出会いで実現しつつあるのかもしれない。
岡山出身のコジマサナエとは1年半程前、取材で訪れた横浜市内のライブハウスで出会った。オーラを放ち、聴くものを引きずり込む、不思議な魅力を持つ人だ。そして縁とはまた不思議なもの。これまで一度も訪れたことのない岡山のフリーペーパー「シーツ・オブ・ミュージック」で、次々号から岡山の皆さんにお目にかかることになった。ホームグラウンドである横浜を中心にこちらの音楽シーンの今を、私なりの視点で紹介できればと思っている。どうぞよろしく。
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吉田 桐子 2001.6.26
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吉田 桐子 プロフィール
横浜の音楽とアート情報誌『Bay ma』編集部所属。
入社して4年目になるというのに、未だ締め切りが怖い。
最近ではライブイベントの企画制作も担当。
おかげてライブハウスに行く時間が少なくなったのが悲しい。
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