OKAYAMA Swing Street
語れば熱き音楽人
 酒と音楽と男と女 「第三章:BGM(バックグラウンドミュージック)」
2001.5.30秋山 貴
   何年か前に行った神戸のバー、たしか神戸ハイボールという名のバーだったと思うが、そこの店は音楽がかかってなかった。BGMは客の話し声と店員の声、その他グラスの音とか足音とか。それはそれで新鮮な感じはしたけれど、数時間もいると何だか妙に落ち着かない。

 店のBGMは僕にとってはとても重要で、例えば県外などで初めての店に入る時、まずは店の名前とか入口の感じとかであたりをつけてドアを開ける。その時に聞こえてくる音楽でたいていは決まってしまう。タイミングよくその時にイーグルスなどかかっているとそれだけで70%ぐらいはOKである。
それがレコードやCDを回していなくてたまたま有線放送でかかっていてもあまり問題にはならない。 その時の先入観で"ここはいい店"と決めつけてしまう。

 少し店が汚なかろうが、マスターの態度が悪かろうが、あまり気にはならない。まあもともと、こギレイな店やネクタイ締めて"いらっしゃいませ"という類いの店はあまり好みじゃないけれど。
数年前ぐらいから、ショットバーみたいな造りの寿司屋とかジャズしかかかってないお好み焼き屋とか東京あたりで流行っているみたいだけどあまり度が過ぎるといやみったらしい気がする。まあ実際行ったことがないので悪とは言わないことにしよう。もしかするとハマッてしまうかもしれないし。

 最近、山陰の方面へ行くことがよくあるけれど、町はずれの田舎、特に海が近くにある一杯飲み屋みたいな所で新鮮な魚と日本酒や焼酎をやる。こうなるともう演歌しかない。今ごろのテレビではあまり演歌など聞くこともないけれど、僕の子供のころはまだまだ演歌も多くて、けっこう耳にしていた。特に演歌は1曲のスパンが長くて、1年ぐらいは同じ歌を歌っているので、けっこう耳に残ってしまう。実はかくれ石川さゆりファンの僕にとって雪の降る寒い日に地酒の熱燗とホタルイカの沖漬けと津軽海峡冬景色があれば最高である。あと松山千春とかフォーク系もありだけど一杯飲み屋で気持ちよくやっている時にミニモニとかああいう類いだけは勘弁してほしい。

 最近は有線放送が何でもジャンルがあるのでとても便利になって、かけっぱなしで横着している店が多い。(すみません、うちもその一つに入るかも…)
でも店のオーナーの気持ちと店の雰囲気とBGMと自分の気持ちが一つになると風を感じることがある。その風を肴にバーボンをやりたいものだ。
秋山 貴 2001.5.30


  HOME   語れば熱き音楽人