OKAYAMA Swing Street
語れば熱き音楽人
サボテンマニア
2001.5.23能勢 慶子
 ペパーランドの入り口を入って左側に全国のライブハウスから送られてくるスケジュールが貼ってあります。 どのライブハウスも綺麗で整然としているのが多い中で、私が楽しみにしているのは九州のJAJAと姫路マッシュルーム、千葉LOOKのスケジュールです。 スタッフの面白い話に励まされたりくつろげたりします。そんな感じで私のコーナーを始めることにしました。

 今回の話はサボテン・マニア。私が持っているサボテンを紹介しましょう。金烏帽子(きんえぼし)は小さい分身が出てきます。 あまり愛嬌はないけど仏塔というヤツに、巨象丸(きょぞうまる)、玉翁(たまおきな)、希望丸(きぼうまる)、恋魔玉(こいまぎょく)。 ね、おもしろい名前でしょ!?サボテンの花がまた綺麗で、どの花も蓮の花みたいにキッパリと咲いて美しく、海の中のイソギンチャクの様に鮮やかな色は、見とれてため息が出てしまいます。 みなさんもサボテンを育ててみれば?

 そして次にサボテンの研究家2人をご紹介しようと思います。一人は伊藤芳夫さん。日本砂漠研究会会長とかも務めておられ、1973年にハーゲ(ドイツ)という人の著書に世界のサボテン研究家の日本代表として紹介されています。 東京新聞から『サボテン記』という本を昭和49年に出版されていて、挿し絵もご自身で描かれていてすごく上手。針の長さ、曲線の綺麗さはとても手書きとは思えず写真のようです。 内容は、サボテンは感情を持っている、サボテンの進化、サボテンは人を狂わす、サボテンで化粧する・・・。どの項目もおもしろいです。

 もう一人の研究家は龍膽寺雄(りゅうたんじゆう)さんという人。 昭和49年に毎日新聞社から『シャボテン幻想』という本を出版されていて、シャボテンについてマヤ時代にまでさかのぼって生け贄の恐怖と苦痛を和らげるために鳥羽玉というシャボテンが使われたことや、 シャボテン好きの心理分析とか世界で一番珍奇な植物としてのおもしろいメカニズムの考察と事実が書かれています。 少し紹介すると『シャボテンは、二年や三年、あるいは五年、砂漠に一滴の雨が降らないでも、その貯水池をカラにして、水不足で立ち枯れて、死んでしまうようなことはめったにない。私の経験でも、まるまる七年間、木箱の中に抜きあげて転がしたまま、うっかり忘れていたシャボテンが、枯死するどころか、自分のからだの中の水を使って、ちゃんと生長までしていたのを覚えている。 「生長」とは、学問的にはただ伸びて容積が増えるだけではなく、質量(目方)が増えなければならないことになっているのだが、シャボテンは、それを減らしながら、生長部でちゃんと細胞を分裂増殖させて、新生部をつくってゆくのだから、かなり例外的な存在だ。 それを箱の中に根もなく転がって、七年も続けて生長をしていたというのだから驚くにたえる。しかし、いかに砂漠植物のシャボテンでも、水なしに生きられるはずはないので、ひとえにこれは、水の政策の驚くべき合理性による以外の何ものでもない』という数行。 10日に一度くらい水をやるのだけれど、水が土に吸われてゆくのを見ながら、この水とシャボテンのシステムと水の力を想って少し感動したりします。

 以上サボテンとシャボテンと使い分けたのは、お二人の間に呼び名がサボテンかシャボテンかで論争があったということらしいので、一応使い分けてみました。ではまたね。
 
能勢 慶子 2001.5.23


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