OKAYAMA Swing Street
「お酒を美味しく飲むための魔法」 酒場人語
  皆様、お久しぶりでございます。
 ザ・カクテル・バー☆ステラ☆の今田でございます。
 さて、皆様、ホワイト・デイの成果は、いかがでございました??
 前回申し上げたように、男性からの愛の告白の御酒は、「ポート・ワイン」です。
 男性がすすめるポートを女性が、断ったら、×です。
 このコラムを読まれて、成功した方、失敗した方、御意見など、お待ちしております。

    最近、かなり少なくなってまいりましたが、マダたまに、お客様に言われる言葉。
 「秘密で、彼女のカクテルをアルコール高くして、酔わせてくれ!」
 無論、反対に女性が男性を酔わせようとすることもございます。
 お気持ちは、お察しいたしますが、悲しい言葉です。
 彼女が、「酔っ払いたい」と望むなら、それもよしですが、 バーテンダーというものは、飲み手が「美味しい」と感じてくださるカクテルを お作りするのが仕事でございます。
 それに、「キツイ」カクテルを飲むよりも、「美味しい」と感じるカクテルを沢山、 飲まれるほうが、酔うのは早いものです。

そこで、本日は、酒膳夢二を立ち上げた当初の、当店のバイト君の失敗談を お話いたしましょう。
 バイト君は、カクテルが大好きです。無論、アルコール高めのものから、低めのものまで、 何でもゴザレです。決して、お酒に弱いタイプではございませんでした。
 ある日、バイト君が、大学の後輩の可愛い女の子を連れて参りました。
 あまり、お酒に強くないのですが、カクテル大好きな女の子でした。
バイト君「マスター、XYZと、キューバ・リブレを下さい。」
私「へえ〜、同じラム・ベースをセレクトして、中々、感じいいな。」
 XYZは、決してアルコールが軽くないサッパリとしたカクテル、
キューバ・リブレは、ラムをコークで割った、程よい甘さの軽めのカクテルです。
 私は、当然のように、彼女に、キューバリブレを手渡しました。
バイト君は、テーブル席に座っていて、私のいるカウンターからは、様子がわかりません。
 「マスター、次は、マルガリータと、テキーラ・トニックを下さい。」
 私が、バイト君にマルガリータを手渡し、彼女に「マルガリータの悲しい恋の物語」を 語り始めると、バイト君は、彼女にマルガリータを手渡し、自分は、アルコール軽めのテキーラ・トニックを飲み始めました。
 私「あれ?彼女はアルコールが強くないはずじゃ?いいのかな?」と思いながらも、 お代りのペースが速いので、「彼女、結構、お酒強いんだ!」と思い始めておりました。
 バイト君は、オーダーを必ず、同じベースでアルコール高めと低めでセレクトし、 5杯ずつ飲んだときでした。
 「ガタガタッ!ドスン!!」「キャッ!」私は、彼女が倒れたのかと思い、 テーブル席へ行くと、バイト君が「ベロベロ」になって、倒れてるじゃありませんか!
 詳しい話を聞いてみると、彼女はやはり、お酒は好きだけど、アルコールの高いカクテルは、 苦手らしく、結局、アルコール低めのカクテルばかりをバイト君の手から奪い、飲んでいたらしいのです。
 私は、後日、バイト君にいいました。
「だから、言っただろう!彼女の好みのカクテルをセレクトしてあげれば、 君の好感度もアップするし、美味しく飲めるから、杯数もすすんで酔うんだって!!」

 カクテルは、人を酔わすためのものではなく、より、お酒を美味しく飲むための魔法をかけたお飲み物でございます。皆様も、御注意ください!

さて、これからも、楽しいお話をさせていただこうと思っております。
御意見お待ちしております。
それでは、皆様、又、次回お会い致しましょう。
2003/3/15 今田俊則
 

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